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- カルボマー(カルボキシビニルポリマー)
世界基準の品質、医薬品添加物規格適合の
水溶性増粘剤 NTC-CARBOMERシリーズ
水溶性増粘剤であるカルボマーは、パーソナルケア分野ではスキンケアジェルやヘアスタイリング剤に、医薬品分野ではカルボキシビニルポリマー (Carboxyl Vinyl Polymer:CVP)として知られ、外用剤(貼付剤、クリーム、ローション)、消毒用アルコールジェルなどに用いられています。
日光ケミカルズ株式会社では、中国で有数のパーソナルケア原料メーカー「Guangzhou Tinci Materials Technology社(TINCI社)」で製造された高品質なカルボマー『NTC-CARBOMERシリーズ』を販売しています。高い安全性と品質に加え、医薬部外品原料規格および、医薬品添加物規格に収載されているカルボキシビニルポリマーに適合しており、化粧品はもちろんのこと、医薬品の外用剤や医療用の超音波診断用のエコージェルなど幅広い製品に使用いただけます。
取り扱い製品ラインナップ
製品名 | 化粧品成分表示名称 | 粘度(mPa・S,pH7.0) | 特徴 | 公定書 |
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NTC-CARBOMER 380 | カルボマー | 20,000~34,000 (0.2%aq) | 高粘度タイプ | 外原規および 薬添規対応 |
NTC-CARBOMER 381 | カルボマー | 4,000~7,500 (0.2%aq) | 低粘度タイプ | 外原規および 薬添規対応 |
NTC-CARBOMER FD10 | カルボマー | 12,000~29,000 (0.2%aq) | 高粘度タイプ、 膨潤しやすい |
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NTC-CARBOMER FD21 | (アクリレーツ/アクリル酸アルキル (C10-30))クロスポリマー | 45,000~65,000 (0.5%aq) | 高粘度タイプ、 膨潤しやすい |
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外原規「医薬部外品原料規格」および、薬添規「医薬品添加物規格」に収載されている「カルボキシビニルポリマー」に適合しています。
カルボマーについて
アクリル酸を主鎖とした重合体で、カルボキシル基をもつ水溶性高分子です。水に分散後、アルカリで中和することで増粘します。カルボキシ基の含有量は、薬添規では58~63%、外原規では57.7~63.4%と規定されており、水溶性高分子の中では特に増粘効果に優れ、経時または温度による変化が少ないなど優れた特長をもっています。さらに水溶液は、チキソトロピー性が高く、分散安定性に優れています。
NTC-CARBOMER(カルボマー)の増粘機構
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初期:粉末状態
水と接触する前は、強いコイル状態
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水和(ポリマーが分散した状態)
水と接触し、コイル状態は徐々にほどけ始める
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中和後(粘性を示す)
- 塩基による中和で、マイナスチャージがポリマー骨格にそって形成。この反発によりポリマーは外側に広がり粘度がでる。
NTC-CARBOMER 380 / 381の使用方法
・水相へ分散させる場合
NTC-CARBOMER 380 / 381を撹拌している水相へ、少量ずつ分けて添加していきます。この時、NTC-CARBOMER 380 / 381の粒子が水に完全に分散したのを確認してから、また少量を添加していきます。多量に添加してしまうと表面だけが濡れて芯が粉のままの「ままこ」状態になってしまいます。また、粘度が大きくなるため、最大でも約1.5~2%の水溶液が調製の限界です。十分に撹拌した後、下記の手順で完全に溶解させます。
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1.少量を徐々に加える
2.きれいに分散されるまで十分に撹拌
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3-1. 70℃まで加温し30分程度攪拌して冷却する。
3-2. 一晩放置し膨潤させる。翌日軽く攪拌して均一にする。
・油相へ直接分散させる場合
NTC-CARBOMER 380 / 381を油相へ添加し十分撹拌し分散させます。この混合物を撹拌している水相へ徐々に添加していきます。NTC-CARBOMER 380 / 381が油相から水相へ移行していきます。20分~30分程度混合撹拌します。
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1.少量を徐々に加える
2.きれいに分散されるまで十分に撹拌
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3.混合物を低速撹拌している水相へ徐々に添加し20~30分混合撹拌する。
・一般的な中和工程
1.NTC-CARBOMER 380 / 381を撹拌している水に徐々に添加し、気泡などが入らないよう注意しながら分散液を作ります。
2.作成した分散液を中速度で攪拌しながら、10%に調製した水酸化ナトリウム水溶液を徐々に加え中和します。
この時pH7付近で最も安定してNTC-CARBOMER 380 / 381の性能が発揮されます。
成分 | 配合量(%) |
---|---|
精製水 | 97.5 |
NTC-CARBOMER 380 / 381 | 0.5 |
水酸化ナトリウム(10%水溶液) | 2.0 |
・中和剤の選択
以下のような中和剤を使用することができます。
高濃度エタノール、アセトンなどの溶剤をNTC-CARBOMER 380 / 381で増粘させる際は、アルコールに可溶な中和剤を選択してください。
溶媒 | 中和剤 | |
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水系 O/Wエマルション |
アルカリ | NaOH |
KOH | ||
NH4OH | ||
水溶性アミン | Triethanolamine(アルコールにも可溶) | |
Aminomethyl Propanol | ||
Tromethamine | ||
高濃度のエタノール、 アセトンなどの溶剤 |
アルコールに可溶なアミン | Tetrahydroxypropyl Ethylenediamine |
Diisopropanolamine | ||
PEG-15 Cocamine |
中和時の注意点
水酸化ナトリウムなどの強アルカリを使用する際は、少量の添加でもpHの変化が大きくなるため慎重に中和してください。過剰中和による粘度の低下の原因となります。また、水酸化カルシウムのような2価のアルカリは、NTC-CARBOMER 380 / 381の中和には絶対に使用しないでください。水溶性の2価のアルカリはNTC-CARBOMER 380 / 381と架橋して沈殿が生じ、粘度が低下します。