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それぞれの産業分野で、今、注目されている製品に使われている界面活性剤や原料・素材などをレポートしていきます。

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2015-06-30 17:46:51

1-5 アルコール

アルコール類は一般式R-OH で表される化合物である.水酸基の数が1個、2個、3個などのアルコールを1価アルコール、2価アルコール(グリコール)、3価アルコールなどという。また、芳香族炭化水素の側鎖に水酸基が置換したものは芳香族アルコールと称する。メチル、エチル、プロピルアルコールなどの低級アルコールは、化学合成法や発酵法などで作られる。化粧品基剤や界面活性剤原料、油性成分には炭素数8~24程度の高級アルコールが用いられる。アルコールは、動植物油脂から得られるものと化学合成から得られるものとに大別される。また、化粧品に利用されるアルコール類としては、高級アルコールのほかに、動植物性のステロール類がある。

(1) 天然高級アルコール

脂肪酸と同様、牛脂、ヤシ油、パーム油などを原料として、これら原料由来の脂肪酸メチルや脂肪酸の高圧還元法により製造される。得られたアルコールは原料由来のアルキル鎖長の分布をもつ混合物であり、分別蒸留により目的のアルコールを得る。

(2) 合成高級アルコール

合成アルコールの製法にはつぎの4つの方法がある。

①パラフィンの酸化により得られる脂肪酸をメチルエステルとして、高圧還元により製造する。

この方法では直鎖の1級アルコールが得られる。

②オレフィンのヒドロホルミル化

a)オレフィンへの水素と一酸化炭素付加により炭素数が1つ大きくなったアルデヒドが生成し、これを還元してアルコールを得る。メチル分枝の1級アルコールが得られる。

b)オキソアルデヒドのアルドール縮合により、原料アルデヒドの2倍の炭素数をもつアルコールが得られる。分枝鎖の大きいオクチルドデカノールタイプのアルコールが得られる。

③n-パラフィンをホウ酸の存在下で,空気または酸素により酸化すると、アルキル基の開裂が起きることなく、2級アルコールが得られる。

④エチレンをトリエチルアルミニウムと高温で反応させ、高級アルキルアルミニウムとし、これを酸素と反応させ,さらに希硫酸で加水分解し蒸留する。直鎖で、炭素数が偶数の1級アルコールが得られる。

化粧品において、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの高級アルコールは乳化安定剤、乳化補助剤などとして使用される。またクリームののびや固さの調節ができる。液状の高級アルコールは毛髪のコンディショニング剤や、つや、すべりの改良剤として利用される。低級アルコールは溶剤として香料の溶解剤などに利用される。エタノール水溶液は静菌・殺菌性を示し、濃度が70% で殺菌力は最大となる。この特性から防臭化粧品(デオドラント)に使用されている。またエタノールはローション、ヘアトニックに配合されたり、ピールオフパックなどの乾燥促進剤としても利用される。さらに各種脂肪酸とのエステル類の原料として使用される。ステロール類は抱水力が大きく,エモリエント剤,乳化安定剤として利用される。

イソステアリルアルコール(Isostearyl alcohol)

外原規,薬添規,INCI

イソステアリルアルコール

製法ノニルアルデヒド(3,5,5-トリメチルヘキサナール)のアルドール縮合により得られる2-アルキルアルカノール構造をもつものと、ダイマー酸合成時の副生物由来のイソステアリン酸を還元して得られる構造のものがある。性状・物性無色の透明液体。-10°C で曇りを生じない。エーテルに可溶、エタノールに微溶し水に 不 溶である。

特徴・用途各種化粧品原料との相溶性がよく、酸化に対する安定性もある。熱安定性がよい。ダイマー酸由来のイソステアリルアルコールは、アルドール縮合により得られるものに比べてさっぱりした感触で、皮膚上での広がりに非常に優れている。

リキッドメークアップ、乳液の流動性の調整剤や可塑剤として使われている。界面活性剤、繊維油剤、金属加工油、樹脂の軟化剤,印刷インキ助剤などの原料として使用される。

オクチルドデカノール(Octyldodecanol)

原規,薬添規,INCI

オクチルデカノール

製法2分子のデシルアルコールの縮合物である。ガーベット反応,アルドール縮合などにより合成される。アルドール縮合を応用して純度の高いものが得られる。

性状・物性無色~淡黄色の透明な液体。エタノール、流動パラフィン、油脂に可溶。

特徴・用途炭化水素に比べて油性感が少なく、皮膚感触がよく、皮膚上での広がりがよい。薬物をよく溶かし、薬物の刺激を抑え吸収を助ける。

クリーム、乳液、ヘアオイル、ヘアクリーム、メークアップをはじめセッケンなどに使用される。サンタンオイルのベースとしても使用できる.

[別名] 2-オクチルドデシルアルコール

(2-octyldodecyl alcohol)

ヘキシルデカノール(Hexyldecanol) 外原規,薬添規,INCI

ヘキシルデカノール

製法オキソ反応または脂肪アルコールをアルドール縮合することにより得られる。

性状・物性無色透明な油状液体で、においはほとんどない。-20°C で曇りを生じない。エタノール、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピルに可溶。プロピレングリコールに不溶。凝固点-60~-65°C

特徴・用途油性感が少なく,皮膚にも温和で、各種化粧品原料との相溶性に優れ化学的に安定で酸敗しにくい。水蒸気透過性がよく、また低揮発性である。

クリーム、乳液、口紅、頭髪用化粧品など化粧品一般に用いられる。可塑剤、界面活性剤などの原料として用いられる。

出典:新化粧品ハンドブック(日光ケミカルズ

化粧品原料(化粧品素材)のプロフェッショナル_4

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