医薬品開発(外用剤の製剤化 Part2)

1.軟膏剤について(つづき)  ※はじめから読む

1.2 水溶性基剤(水溶性軟膏)

水溶性基剤は、ポリエチレングリコールをベースにした軟膏で、分子量の高い固体状のものと液状のものを適当に配合して軟膏状にしたものです。水溶性薬剤には適していますが、油溶性薬剤については均一に分散しなければならず、しかも経時的に薬剤が沈殿する可能性がありますので、クリーム剤または油脂性基剤を使った方が有利です。

水溶性基剤のポリエチレングリコールは分子量によって融点が異なります。分子量800ぐらいまでは常温で液状ですが、それ以上の分子量のものは固体です。局方のマクロゴール1500の融点は37~41℃ですが、固体のポリエチレングリコールと液状のポリエチレングリコールの混合物です。また、局方マクロゴール軟膏は融点52℃ぐらいあり、ポリエチレングリコール4000と400の当量混合物です。

ポリエチレングリコールは薬剤をよく溶解します。水溶性でない薬剤でもポリエチレングリコールには溶解するものが多いので軟膏基剤として用いられています。油溶性または粉体薬剤をこの基剤に配合する場合は、親水性の非イオン界面活性剤を使って分散することが必要です。分散剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(NIKKOL HCO-20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(6EO)(NIKKOL TS-106V)、ラウリル硫酸ナトリウム(NIKKOL SLS)、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム(NIKKOL DOP-8NV)、リン酸ナトリウムポリオキシエチレンラウリルエーテル(NIKKOL TLP-4)などが適しています。

水溶性基剤の欠点は、耐温度性に弱く、融点以上では液状になってしまうことです。ワックス類を配合してだれるのを防ぐことができますが、界面活性剤を併用してワックス類の分散をしておかなければ逆に浮くおそれがあります。

また、塗布した時に赤熱感があったり、リンパ液など多量の水分が出る患部に使用すると水分を吸収し溶出してしまうなどの欠点があります。

TO BE CONTINUE


Facebooktwitterredditpinterestlinkedinmail

質問は受け付けていません。