通常、無機粉体の分散物というと、揮発性シリコンをベースとしたものが多く販売されております。この分散物はボールインタイプのUVローションなどのW/O製剤には非常に使いやすく好まれています。しかし、今UV製剤のもう一つの柱になりつつある「O/W製剤」に配合したら、撹拌中にモッツァレラチーズみたいに凝集してしまったという経験はありませんか?
KOBOディスパテック社製品なら、そんな状況を解決出来るかもしれません。写真に示しますように、簡単なO/W乳化系を再現してみたところ、揮発性シリコンベースのものは撹拌中に白い凝集体が出来ますが、もう一方は白濁した均一の溶液になりました(右側:CMIP50XZ4J)。こちらの製品は、揮発性シリコンとパルミチン酸エチルへキシルの混合ベースの分散物です。この二つ、「分散剤」が異なります。CMIP50XZ4Jは親油性の強い分散剤を使用していないため、O/W系でも凝集が生じにくいのです。さらに、「UV製剤特有におい」も低減できるかもしれません。ちなみに前回ご紹介したエステル油・炭化水素油ベースの分散物も同様の効果が期待できます。
O/Wの処方化が凝集してしまってなかなかうまくいかない、という方、是非一度お試しください。
→【参考処方紹介】UV製剤の参考処方を紹介いたします。今回は、O/Wミルクタイプです。軽いテクスチャーで石鹸でも洗い流せるタイプです。(SPF20、PA++程度)
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